「あっ、大好きなアーティストがインターネットラジオで大好きな曲を弾き語りで歌うんだって!ぜひ録音しなきゃ!」
こんな簡単な希望なのですが、壁にぶつかりまくりました。
2023年2月、自分のPC環境は「MacBook Pro 2016(macOS Monterey 12.6.3)」です。
記事内も2023年2月時点での情報です。
はい、目の前にあるのは古い Intel Mac です。
ブラウザからインターネットラジオを聴いています。
ラジオから流れる音(内部音声)だけを録音できれば良いのです。
ラジカセで簡単にできたことが、パソコンではこんなに苦労するなんて。
昔はカセットテープに夜な夜なエアチェック(死語?)してましたっけ……。
*ラジオやテレビ番組の録音については、文化庁>著作物が自由に使える場合【私的使用のための複製(第30条)】が関連します。
家庭内で仕事以外の目的のために使用ならOKとされています。
*配信サービス(特に有料の)によっては録音・録画・ダウンロードは著作権に触れる可能性があるので、サイトの規約を事前に確認してくださいね。
文化庁>令和3年1月1日施行 侵害コンテンツのダウンロード違法化について
*今回、画面録画ソフト『EaseUS RecExperts for Mac』のPro版をイーザスソフトウェア様からご提供いただきました。
当記事はMacでのレビュー記事です。
『EaseUS RecExperts』にもWindows版がありますが、Windowsも含めたパソコンで音声を録音するその他の方法については、
【4選】パソコンから音声を録音する方法で紹介されています。
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無理だった録音方法
まずは自分のMac「macOS Monterey」で無理だった録音方法を紹介しますが、Macの環境によっては成功する方法かもしれません。
MacのQuickTime Playerで録音する
QuickTime PlayerはMacに内蔵されているメディアソフトです。
ムービーのみ・オーディオのみ・画面のみを選んで収録できます。
ラジオを録音したいのでオーディオのみの収録ができれば十分です。
これで楽勝!と思ったのですが、実際ラジオ音声を録音してみると音がハウリングします。
スピーカーの異常の可能性もありますが、とても使える音質ではありません。
周りの電化製品が干渉しているのかも?と思って切ってみたり、Macを移動させてみたり。
……無理でした。
ここで、調べて気が付きました。
「Macは基本的にシステム音(内部音声)のみを録音することはできません。」
QuickTime Playerは内部音声だけでなく、外部の音も録音しているんです。
Soundflowerを併用
内部音声だけを録音するには音を切り離す仮想オーディオシステムをMac内に作る必要があると分かりました。
そこで、検索で出てくるのがSoundflowerです。
ただし、新しい M1 Mac には対応してないし設定が複雑とのこと。
数年前ならSoundflowerが絶賛されていますが、最近はオススメされていません。
自分は Intel Mac なので対応している方に賭けてインストールしました。
詳しい設定は省きますが、入力と出力にSoundflowerを指定して、録音するのはQuickTime Playerです。
う〜ん、ハウリングとは違うエコーがかかったような音になってしまいました。
MacのAudio MIDI設定をいじってみたり、内部スピーカー音をゼロにしてみたり、イヤホンで外部には音が出ないようにしてみたり、少し勉強した知識で頑張ってみました。
……無理でした。
Soundflowerを完全にアンインストールするのは手間がかかったので、一か八かでインストールするのはオススメしません。
Soundflowerが悪いのか?QuickTime Playerが悪いのか?組み合わせが悪いのか?自分のMacが悪いのか?
スタートラインから考え直しになったので、頭を休ませていたところ……。
本当に偶然なのですが、Mac向け画面録画ソフト『EaseUS RecExperts for Mac』を提供していただけることになりました。
『EaseUS RecExperts for Mac』とは
『EaseUS RecExperts for Mac』はMac向けの画面録画ソフトです。
自分が苦労したインターネットラジオの音声録音だけではなく、ビデオやウェブカメラの利用も記録できます。
Zoom会議、YouTube動画、ゲームプレイ、GIF、Facetimeなどなど、録画OKです。
Free(無料版)とPro(月額2,629円から)があります。
Freeだと保存と再生が1分間できるだけなので、音質&画質が問題無いかを試す用ですね。
ぜひ試してからProにアップグレードしてください。
年間ライセンスや永久ライセンスも用意されています。
Pro(月額2,629円から)でできることは、
- 保存可能な録画の長さ→制限なし
- 再生可能な録画の長さ→制限なし
- 録画のスケジュール
- 録画の自動分割
- 録画の自動停止
- 動画から音声を抽出
- イントロとアウトロを追加
- 年中無休のテクニカルサポート
録画フォーマットもMP4、MOV、AVI、FLV、MKV、MP3、AAC、WAV、OGG、WMA、FLACなど、最大13種類の一般的なファイル形式で保存することが可能です。
対応OSは「macOS 10.13 or later 」なので、「macOS High Sierra 」からですね。
内容は変更になる可能性もあるので、最新情報は『EaseUS RecExperts For Mac』のサイト内で確認してくださいね。
インストール
『EaseUS RecExperts for Mac』のサイトで【無料ダウンロード】をクリックします。
MacではApp Store 以外からインストールしたファイルを開くには許可する必要があります。
示される手順に従って(抵抗が無ければ)許可してください。
その後、【いますぐインストールする】→【いますぐ起動】でアプリが開きます。
下記の画面が表示され、録音する為の権限を与える必要があります。
画像の下3つ(マイク・カメラ・画面へのアクセス)はすぐに許可できますね。
一番上の「システムサウンドを録音するには、オーディオドライバーが必要です」が気になるかと思います。
システムサウンド、つまりラジオ音声のような内部の音です。
システムサウンドが録音できないなら自分には無意味ですから!
Macによってはオーディオドライバは必要無いので、表示されて気になった方は次の”『BlackHole』とは”をお読みください。
『BlackHole』とは
『EaseUS RecExperts for Mac』でインストールされるのは、『BlackHole』というオーディオドライバです。
ブラックホールって、名前が不気味ですけどね。
実は当記事上部の「無理だった録音方法」で紹介したSoundflowerと同じ役割(仮想オーディオシステムをMacに作る)なんです。
『EaseUS RecExperts for Mac』を通してインストールされるのは、録音に最低限必要な「BlackHole 2ch」のみです。
もし『BlackHole』のフル機能をインストールするなら『BlackHole』の配布サイトでアドレス登録も必要です。
通常のオーディオ機器は2ch(LとRのステレオ)で十分なので、簡単に『BlackHole』を利用させてもらえてラッキーな気がします。
尚、「macOS 13(macOS Ventura)」からは『BlackHole』が入っていなくても録音できるとのことです。
入っていれば録音機能の向上に役立つとのこと。
自分のMacは現在 「macOS Monterey 12.6.3 」なので『BlackHole』入れました。
これで録音&録画準備完了です。
もし、ライブ配信しながら録画するのがメイン用途なら、とても高機能で有名な『OBS Studio』があり、こちらの記事が参考になります。
【ガイド】OBS Studioで画面を録画する方法
『OBS Studio』も、「macOS 13(macOS Ventura)」と「OBS Studio v28」の組み合わせから仮想オーディオシステムをインストールする必要がなくなっていますよ。
収録開始
Macのシステム環境設定>サウンドで、出力に「BlackHole 2ch」と「EaseUS Audio Device」、入力に「BlackHole 2ch」が追加されています。
出力で「EaseUS Audio Device」が選択されていると音声を聴きながら録音も同時にできるのですが、ラジオや動画の収録を始めると「内蔵スピーカー」から自動で「EaseUS Audio Device」に切り替わっていました。
とても使いやすいですね。
ビデオ会議の時はビデオ会議ソフトウェアで「EaseUS Audio Device」を指定する必要があるようなのでお忘れなく。
ここで、ふと「BlackHole 2ch」をQuickTime Playerで録音できないの?と思い試したのですが、やはり雑音が入り無理でした。
自分のMacのQuickTime Playerがおかしいのかもしれない……。
「BlackHole 2ch」と『EaseUS RecExperts for Mac』の組み合わせなら問題なく録音できるので……。
さてさて、『EaseUS RecExperts for Mac』の使い方は簡単です。
基本は「フルスクリーン」「エリア」「オーディオ」「ウェブカメラ」から選んでRECボタンを押すだけ。
「エリア」を選んだらいかにも移動・変形させられそうなオレンジ枠が出現するので録画したい場所にフィットさせます。
音声録音は、「マイクとシステムサウンド」が選択されているのを「システムサウンド」「マイク」「音声なし録画」に変更できます。
例えば、ラジオを録音するなら外部音声は必要ないので「システムサウンド」に変更しておいた方が良いですね。
*ラジオなどの場合、音声を聴きながら録音したいことが多いと思いますが、録音中は音量調節ができないので、事前に内蔵スピーカー(Macのボリュームコントロール)でちょうど良い音量にしてください。
ウェブカメラを指定してオンにしたらワイプ画像も一緒に録画できます。
ゲーム実況の時によく見かける画面になりますね。
事前の設定で画質(3種類)やフレームレートやビットレートなどを変更できますが、デフォルトでもほぼ問題無し。
出力ファイル形式も、ビデオはMP4、オーディオはMP3がデフォルトです。
収録前に5秒のカウントダウンが入るのですが、設定でオフまたは10秒に変更できます。
再生画面もわかりやすいです。
ホーム画面で「録画ファイル」を選んだら、右側にファイルが並ぶ再生画面になります。
ファイルを選んで左下の再生ボタンを押すだけです。
画面下部中央あたりに簡単な編集ボタンがあります。
予約・編集などの機能
Pro版では、リアルタイムで録音・録画するだけではない機能があります。
どれもわかりやすい画面なので、全く迷うことはありませんでした。
自動分割
指定したレコーディング時間、または指定したファイルサイズに達するとファイルをいくつかに分割して保存・共有してくれます。
自動停止
指定した終了時刻、または指定したレコーディング時間、または指定したファイルサイズになったら停止します。
タスクスケジューラー
スタートと終了の日付や時刻を指定できる予約機能です。
終了の指定は、レコーディングの持続時間や手動での停止にすることもできます。
PC作業に夢中になって時間が過ぎていることはよくあるので大変ありがたいです。
少し注意が必要なのは、スリープや電源オフの状態ならスタートしません。
開始時刻が決まっているインターネットラジオなどを録音するなら、Mac側でその時間にスリープしていないようにする必要がありますね。
予約時間にスリープしていて録音・録画できなかった場合、スリープ解除した時からスタートします。
終了時刻を指定していても、予約したスタート時刻から終了時刻までの持続時間に変換されてストップします。
簡単な編集
再生画面下部ある編集ボタンで収録後のファイルを編集できます。
- 必要な部分だけを切り取り
ー前後に余裕を持って収録した部分をカットする感じです。 - 動画に、オープニングタイトルとクロージングタイトルを入れる
- 動画から音声だけを抽出する
ー初めから別のファイルで収録するよう設定もできます。 - スクリーンショット
- 音量調節
- フルスクリーン
Macで録音・録画するなら
『EaseUS RecExperts for Mac』でやっとキレイにラジオ音声の録音が出来ました。
ラジオ以外にもPC作業の記録、ウェブ会議の記録、ゲームの進行を記録、あまり会えない大事な人とのビデオ通話などなど、録音・録画したい場面はたくさんあります。
わかりやすい操作方法で簡単な編集機能やタスクスケジューラーも搭載しています。
どうやらMacのOSが「macOS 13(macOS Ventura)」になっていれば、当記事で紹介したより少し簡単になっているようですしね。
それにしても、Macで内部音声だけを録音って、思ったより手間がかかりました。
周囲の人に聞いたら、やはり有料ソフトを使っていたと……。
自分はインターネットラジオの録音が目的でしたが、『EaseUS RecExperts for Mac』が無ければ諦めるところでした。
QuickTime Playerが使い物にならないんだけどどうして⁈と壁にぶつかったら『EaseUS RecExperts for Mac』も検討してみてください。
コメントは優しくどうぞ